INTERVIEW

研修=スキル習得ではなく“人間の基盤づくり”。 学びの時間は自分への投資。

  • 自動車基幹職 1期生

    利満 昌斗 さん

  • 自動車基幹職 1期生

    井 勇人 さん

  • 自動車基幹職 1期生

    西村 和陽 さん

大型二種免許の取得から、西鉄研修センターでの学び、そして実際の乗務へ。その時間は、「ただ技術を身につける期間ではなかった」と、3人は口をそろえます。バスを運転するとはどういうことか。
人を乗せて走る責任とは何か。そして、この経験を将来どう生かしていきたいのか。利満さん、井さん、西村さんに話を聞き、研修で得た学びや思いをお伝えします。

Q.1 大型二種免許取得で、
一番大変だったのはどんなところですか?

利満さん

やっぱり一番大変だったのは、車体の大きさですね。普通車しか運転したことがない状態から、いきなりバスを運転するので、感覚が全然違いました。特に曲がるときは、内輪差とかオーバーハング(カーブを曲がるときに車の後部が外側に膨らむ現象)をかなり意識しないといけないので、普通車よりもかなり確認する箇所が多いんです。ひとつ見落としただけでも接触事故につながるので、そこは本当に慎重になりました。

井さん

リアタイヤの位置を常に把握することがすごく難しかったです。普通車だとあまりそこまで意識しないんですけど、バスは後輪がどこを通るかがすごく重要なんですよね。だから、今自分の後輪がどこにあるのか、どこを通るのかをずっと考えながら運転する必要があって。今まで感覚でやっていたことを、ちゃんと理屈で理解して運転しないといけなかったのが大変でした。

西村さん

大型車の運転に入る前の段階から結構苦労しました。入社前に限定解除はしていたんですけど、MT車自体に慣れていなかったので、まずそこに苦戦しました。あと、合宿免許だったので知らない土地で路上教習を受ける緊張感もありましたね。

Q.2 西鉄バス研修センターでは、
どんなことを学びましたか?

利満さん

西鉄グループの安全対策や西鉄バス独自のルールを学びました。そのあと、点呼の練習とか日常点検、構内での運転訓練、路上での運転訓練へと進んでいきました。印象に残っているのは、「危ないと思ったらまず止まること」と、「少しでも危ないと感じたら、自分で降りて直接見て確認すること」です。研修センターでは、認知、確認、判断をきちんと行うことを徹底的に学んだと思います。

井さん

自分の中では、それまで感覚でやっていたことを、全部ちゃんと理屈で学び直した時間だったなと思います。車両特性だったり、確認手順だったり、危険予測だったり。あと、実際に三角コーンとか障害物を使って、「ここまで寄ると危ない」「こんなふうにオーバーハング(カーブを曲がるときに車の後部が外側に膨らむ現象)が出る」というのを体感できたのが大きかったです。頭で聞くだけじゃなくて、実際に目で見て体で理解できたので、イメージがかなり具体的になりました。

西村さん

運転士としての一日の流れを知れたのが大きかったです。アルコール検知、点呼、車両点検、乗務、乗務記録の記入とか、運転する前後にもやることがたくさんあるんです。また、私たちは空港内を運行するランプバスを運転することが分かっていたの空港内の交通ルールとか、そういう現場特有の流れも学びました。バスを運転するだけじゃなくて、その前後も含めて仕事なんだなと感じました。

Q.3 技術以外に学んだことはありますか?

利満さん

バスの運転士は、運転だけでは務まらないということですね。西鉄バスでは、アナウンスやICカードへのチャージとか両替などの対応もすごく大事です。お客様に気持ちよく乗っていただくためには、運転の技術だけじゃなくて、心も磨かないといけないんだなと思いました。

井さん

他の新人運転士との集団生活の中で学んだことが大きかったです。自分が気づいたことを相手に伝えるとか、逆に相手が気づいていないことをフォローするとか。そういうことって、運転そのものではないですけど、すごく大事だなと感じました。最初はバスの仕事ってひとりでやる印象があったんですけど、実際は意外とチームワークだなと思いました。

西村さん

先輩運転士である指導員と接する中で、判断の速さとか、声掛けとか、コミュニケーションの工夫をどのようにしているか見えた気がしました。緊急時の対応も含めて、運転技術以外の部分がすごく大きいんだなと感じました。乗務員に求められる内面みたいなものを、研修を通して知ることが出来ました。

Q.4 印象に残っている指導はありますか?

利満さん

「車内事故につながるブレーキは絶対に踏めない」ということですね。急ブレーキを踏まなくていいように、常に先を見て、早めに判断して、早めに減速する。歩行者とか自転車とか飛び出し車両とか、そういうものを先読みしていく必要があるんだと学びました。バスって、どう止まるかがすごく大事なんだなと思いました。

井さん

夜間のバック駐車の練習がすごく印象に残っています。雪が降っていて、先生は外に立って指導してくださっていて、自分たちは車内にいるんですけど、それでも本当に厳しい環境で。そんな中でも先生がずっと見てくださっていたので、自分もちゃんと応えないといけないなと思いました。あと、「知識と技術の併用」という言葉はすごく残っています。知っているだけでもダメだし、技術だけでもダメで、その両方が必要なんだなと感じました。

西村さん

ひたすら基礎練習をすることですね。白線にきれいに合わせる練習とか、車両感覚を体に覚えさせる練習とか。本当に地味なんですけど、それが一番難しかったですし、一番大事だったと思います。最初はこんなに同じことを繰り返すのかと思いましたけど、今振り返ると意味のある時間だったなと思います。

Q.5 研修前と後で、意識はどう変わりましたか?

利満さん

研修前は、バスの運転士って「事故なく送り届ける仕事」というイメージだったんです。でも実際はそれだけじゃなかったです。加速やブレーキひとつ取っても、なるべくショックを出さないとか、車体を揺らさないとか、すごく細かいところまで気を配らないといけない。免許を取ればできる仕事だと思っていた部分もあったんですけど、そうじゃなくて、免許は本当にスタートラインなんだと感じました。

井さん

交通ルールに対する見え方が変わりました。横断歩道とか交差点とか、今までは何となく見ていたものを、ちゃんと危険予測しながら見るようになりましたし、普段自分が車を運転している時も、バスの近くではちょっと距離を取るようになりました。バスの立場で物事を見る感覚が身についた感じがあります。

西村さん

研修前は「免許があれば運転できる」という感覚が少しありました。でもやってみると、本当に考えることが多くて。バス停にぴったり停めることも、ギアをなめらかにつなぐことも、交通の流れを邪魔しないことも、お客様の車内安全も、全部同時に考えないといけない。毎日当たり前のようにやっている先輩の運転士さんは、本当にすごいなと感じるようになりました。

Q.6 これから実際にお客様を乗せて運転しますが、
どんな気持ちですか?

利満さん

期待もありますし、不安もあります。昔から憧れていたので、お客さまを乗せて運転すること自体はすごく楽しみです。でも一方で、事故は絶対に起こせないし、自分の運転でお客様に怪我をさせてはいけないというプレッシャーもあります。自分の中では、期待が7で不安が3くらいです。教わったことをしっかり出していきたいです。

井さん

教わった通りに運転すること自体はできても、アナウンスやお客様案内まで含めると、まだまだこれから経験が必要だと思っています。運転だけに集中している時とは違って、実際の乗務はやることが増えるので。でも、研修センターを卒業するときに先生から成長したと言ってもらえたことは自信になりましたし、教わった通りにやれば大丈夫だという気持ちもあります。

西村さん

僕はもう実際にお客さまを乗せました。最初はやっぱりすごく緊張しましたね。下手だなと思われたくないとか、お客様を転ばせてしまったらどうしようとか、不安のほうが大きかったです。でも、お客様を無事に送り届けた時に、「ひとつ仕事をやり遂げたな」という達成感がありました。今の自己評価はまだ50点くらいですけど、それでもひとつ経験できたことは大きかったです。

Q.7 将来、この経験をどう生かしたいですか?

利満さん

運転の大変さを知ったうえで、将来はその視点を生かしたいと思っています。普段当たり前に乗っているバスですけど、実際に運転してみると大変さもやりがいもよく分かるので、日々頑張っている運転士さんに寄り添えるような仕事がしたいです。働きやすい環境づくりとか、快適な車内環境づくりとか、そういうところに関わっていけたらと思っています。

井さん

営業所と本社の両方の目線を持てるようになりたいと思っています。運転を経験したことがあるからこそ、制度や資料をつくる時も、机上の話だけじゃなくて、実際にハンドルを握る人の感覚を踏まえて考えられると思うんです。どちらかの立場に偏るんじゃなくて、双方が気持ちよく仕事できるような視点を持ちたいです。

西村さん

研修を通して、自分の特性も少し分かった気がしています。最初うまくいっても停滞する時期があって、でも工夫して、諦めずに続ければまた前に進める。そういう自分のパターンが見えたのは大きかったです。だから今後、自分と同じように悩む後輩がいた時には、自分がしてもらったことを返せるような存在になりたいなと思っています。

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