仕事は、生き方になる。
日常にある「ありがとう」を大切にする。

通関士は、輸出・輸入の許可を出す
「税関」に対して、荷物を「通す」ための
手続きを行います。輸出・輸入をしたい
企業などの依頼人と税関との
間に立ち、貿易が円滑に行われるように
する仕事です。ここでは、
通関士の奥 悠貴さんにプライベート
からお仕事まで話を聞きました。

【国通関部西日本通関課航空輸出通関係】 奥 悠貴 OKU YUKI

学生時代は、やりたいことが見つからず、
就職のために取った資格が「通関士」 でした。
西鉄に就職し、通関の仕事を
するようになり、自分の
していることが
社会や暮らしを繋いでいることを実感し、
喜びを感じています。通関士の仕事は、
荷物の分類分けや輸出入の申告、 関税の納付など
書面での仕事が主に
なりますが、書類の向こう側に
人々が必要とするものがあることを イメージしています。
ひとつの荷物を運ぶのに多くの 人が関わり、
多くの工程がある中で、
私もその中の一員として
誰かのために
役に立てていることを誇りに思います。

奥 悠貴さんの大切な5つのこと

趣味・夢中になっていること

子どもの頃からスノーボードをやっています。

子どもの頃、親によくスノーボードに連れて行ってもらっていました。その影響でスノーボードが好きになり、高校3年生から、自分でゲレンデに足を運ぶようになりました。大学3年生の頃には長野県のスキー場に1ヶ月間、住み込みでアルバイトをしてずっとスノーボードを楽しんでいました。今も1年に10回くらい通っています。自宅が和歌山県なので、長野県までは車で7時間くらいはかかりますが、その移動も含めて楽しんでいます。スノーボードのいいところは、自然の中を駆け抜ける爽快感とスピード感ですね。あと、今までできなった飛び方や滑り方ができるように上達するとさらに楽しくなります。

好きな漫画

スポーツアニメ・漫画が
好きです。

スポーツアニメ・漫画全般が好きでひたむきに頑張る姿に感動します。例えば「メジャー」という野球漫画が好きで、大人になって改めて観直しています。この漫画は、少年時代からメジャーリーグで活躍するまでを描いている作品で、人間の成長を野球を通じて感じることができるところも魅力のひとつです。 以前より違う角度で見ることができて捉え方や感じ方が違うので、面白いですね。1巻目から泣いてます(笑)。子どもの頃には意識してなかった感情や大人になったから分かる人の有り難さなど感じることができるので、いい作品だと思います。

日頃から心に留めている言葉

「犠牲の精神」という言葉が
無意識に宿っています。

聞き慣れた言葉かもしれませんが、ラグビーをやっていたので、
「ONEforALL,ALLforONE」という言葉は意識しています。個人の精神がチームをまとめるし、チームの想いが個人を奮い立たせます。「犠牲の精神」というラグビーというスポーツの独特の感覚かもしれませんが。身体を張って、相手を止めたり、自分を犠牲にしてチームのためにやる。この精神が無意識ですが自分の中に宿っていると思います。

好きな食や思い出深いグルメ

母親の特製ハヤシライスです。

ハヤシライスを初めて食べたのが母親特製のものでした。いつ頃から食べているのか明確ではありませんが、記憶にあるのは食べ盛りの高校生の頃でハヤシライスにハマって、よく作ってもらっていました。今でも好きで実家に帰るとハヤシライスが食べたくなるし、ハヤシライスが食べたくなったら実家に帰っています。何故ここまで美味しいのか分かりませんが、結構こだわって作っていると思います。多分、いろんな隠し味とか工夫があるのかもしれません。

普段から心がけている習慣

感謝の気持ちを大切に
することです。

普段生活していていろんなことが当たり前のようにできたり、当たり前のように時間が流れていきますが、今あることが「ありがたい」と思うようにしています。友人とお酒を飲んでいる時もよく「ありがとう」を言うらしく、友達から口癖が「ありがとうだね」と言われることもあります。感謝の気持ちを大切にしようと思うようになったのは、大学の時に仲の良い友人がバイクの事故で命を失ってからです。その時から、当たり前に生きていることがすごいことだし、今あることに感謝することは大切だと強く思うようになりました。社会人になっても、仕事の時には「ありがとう」の気持ちを忘れないようにしています。

何事もなく、当たり前の暮らしを
維持していくために、
多くの人たちが動いています。
当たり前の日常の中にこそ、
「ありがとう」の気持ちを伝える
瞬間がたくさんあると思います。

仕事で大切にしていること

分からないことは、曖昧にせずに、
必ず周りに確認する。

国内外への輸出入通関は書類ベースで手続きを行います。実際に貨物の中身を確認しながら通関をすることは少ないんです。そのため書類の見落としや見間違いは小さなミスでも大きなミスに繋がることもあります。一言で荷物を運ぶと言っても、そこには多くの人が関わっているので、ひとつひとつの工程が大切になります。だから、分からないことがあれば曖昧にしないで、すぐに周りに聞くように心がけています。毎日の小さな心がけの積み重ねが、当たり前の日常をつくっていくと思っています。

職場のいいところ

困った時に助け合える
西鉄の環境が好きです。

仕事をしているとどうしてもトラブルが発生することがあります。印象深いのが入社1年目のことです。書類上ではきちんと手配されていたのですが、海外から荷物を運ぶ際の手違いで、実際に全く違う荷物が届いたことがありました。具体的に言うと衣服のはずが、大量の文房具が送られてきたことがあります。入社1年目ということもあり、すごく焦りました。そんな時に先輩や他の部署の人たちが助けてくれて正式な荷物を現地に届けることができました。これまでも何度かトラブルがありましたが、その度に先輩たちが優しく丁寧に教えてくれたり、一緒になって考えてくれたり、チームで解決することが多いです。「人の西鉄」と言いますが、みなさん優しい人が多く、部署をいくつか異動しても職場環境で悩んだことはありません。国際物流の歴史も70年くらいありますが、年月をかけて世界各国の人や企業と仕事をする中で団結力というか助け合いの精神みたいなものが培われているのかもしれません。

通関士になるきっかけ

やりたいことを決めるために、
資格を取った。
それが、通関士でした。

大学の頃は通関士の仕事をするとは思っていませんでした。学部も観光学科だったので、今の仕事とはかけ離れたことを学んでいました。その頃は将来どんな仕事をしたいという希望は全くなくて、自分がなりたい職業も漠然としていました。ただ、在学中に「何か一つ資格を取ろう。」という目標があり、せっかく資格を取るなら難しい方が就職に有利になると思い、通関士の資格の勉強を始めました。それでなんとか通関士の資格が取れたことで、おのずとこの仕事に関心を持つようになりました。やりたいことがなかったから、やりたいことを決めるために資格を取ったいう感じです。資格が導いてくれた職業が通関士ということになります。

書類の向こう側には、
人の息吹がある。
仕事は、どこかで誰かの時間に
繋がっている。

輸入の部署で仕事をしている時の話です。
当時、スキー場の施設で使用する商品を
海外から日本へ届ける仕事を
担当したこと
がありました。その商品の納品先が、
自分がよく行くスキー場だったことが分かり、
気持ちが高揚したことを覚えています。
スノーボードをするためにそのスキー場に
足を運んだ際、
私が担当した商品が現地に
置いてあるのを見て、
「自分の仕事が誰かの役に立っている」と
いうことを実感しました。
もちろん、利用する人たちは、その商品が
海外から日本へ
届けられているなんて
知ることもないだろうし、
知らなくていいと
思います。しかし、私の中ではとても心に残る
仕事で、
私と同じようにスノーボードを
楽しんでいる人の役に立っていると
思うと感動すらおぼえました。
通関士という仕事は書類と向き合うことが
多い仕事ですが、それでも繋がりを感じれるし、
この仕事をやっていて、よかったと思います。

奥さんのランチタイム

<手作り弁当>
牛肉の炒めものと卵焼きとソーセージ

職場の近くに飲食店がないので、基本は自分で弁当を作っています。男飯なので、どうしても茶色系が多いのですが、今回は撮影ということもあり、彩りを添えるため、卵焼きを作ってみました。朝早く起きて、弁当を作ることが習慣になりました。献立はその日の気分です。前日の残り物を使うこともあります。料理がそんなにできる訳でもないので、どうしても焼き物が多くなってしまいます(笑)